ポイントの動かし方
電動ポイントの動く仕組みには2種類あります。
- ソレノイド(電磁石)
- サーボ
ソレノイドは、コイルと鉄心から出来ており、コイルに電流を流して鉄心を動かす事でポイントを動かしています。
トミックスやカトーから発売されている電動ポイントは、このソレノイドがポイントの中に入っています。
また、PECOなどのように、外付けのソレノイドタイプのポイントマシンも存在します。
サーボは、電気信号を受けてサーボホーンと呼ばれる腕を動かして、ポイントを動かします。
サーボホーンの回転速度を制御できるので、実感のあるゆっくりとポイントを動かすことが出来るのが特徴です。
今回は、ソレノイド式のポイントをDCCで制御する方法についてご紹介します。
ポイントの配線
ポイントの切り替えは、通常、ポイントから伸びたケーブルをコントローラーにくっつけたポイントスイッチで切り替えますね。
ポイントをDCCで動かす際には、ポイントからのケーブルをDCCデコーダーにつないで、DCCデコーダーからDCCの信号を流している所(レールやコマンドステーション)へ配線する事になります。
レイアウトなどでポイントの数が多くなった場合、ポイントからの配線をポイントスイッチまで持ってこなくてはならずたくさんのケーブルの処理が大変です。
ポイントの傍にDCCデコーダーを置いたり、ものによってはポイントの中にDCCデコーダーを納めてしまい、DCCデコーダーからの配線はレールの配線と一緒にしてしまう事で、配線の簡略化が可能です。
ポイントの制御は、コマンドステーションから行う事が可能で、DSAir2の場合画面上で路線図を引いて、ポイントをその中に指定し操作する事が可能です。
注意点
ポイントデコーダーを複数使っている場合、コマンドステーションから通電した時の突入電流に注意する必要があります。
ポイントデコーダーは、ポイントを動かす時に、瞬間的に大きな電流を流すため、コンデンサに電気を溜めておくようになっています。
DCCの電源をオンにした際に、各ポイントデコーダーのコンデンサに電流が流れることになり、コマンドステーションの電力供給能力を越えてしまって、動作を停止してしまう事になります。
対策としては、各ポイントデコーダーのコンデンサに流れる電流量を抑制する事になります。
例として、私のレイアウトでポイントデコーダーとして使用しているワンコインデコーダー4には、当初47μFの電解コンデンサを付けていました。
ただし、このデコーダーが複数あるとDCCの電源をオンにしたとたんにエラーでコマンドステーションが落ちてしまうのですね。
そのため、電解コンデンサにダイオードと抵抗を取り付けて、電解コンデンサへ流れる電流を抑制し、逆に電解コンデンサから流れる電流は阻害しないようにしました。
ポイントをDCCで動かす
ソレノイド式のポイントを動かす時には、ポイントマシンとなっているコイルに電流を流してやれば良いのですが、単純に電流を流すだけだと電流が足りなくて動かなかったり、逆に多すぎてコイルが焼き切れたりしてしまいます。
そのため、ポイントデコーダーでは最低2つのパラメーターを設定してやる必要があります。
- 電圧
- 電流持続時間
つまり、何Vの電圧をどれだけの時間流してやるかという事です。
メーカーによってコイルの抵抗値が違うので、それぞれの値は異なってきま。
実例
1畳レイアウト2019ではトミックスのポイントを各所に使用していました。
その全てをDCC化しています。
駅へ入るポイント4つと側線への分岐ポイント4つはNuckyさんのポイントデコーダー3を使用し、それ以外のカーブポイント4つとヤードのポイント4つには同じくNuckyさんのワインコインデコーダー4を使用しています。
ヤードのポイント4つは4つのワンコインデコーダーで制御しています。
カーブポイント用のワンコインデコーダー4 2個と側線のポイント用のポイントデコーダー3。
ポイントデコーダー3
当初ポイントデコーダー2を使っていましたが、突入電流が大きくて悩んでいた際にタイムリーに後継のポイントデコーダー3が出てきたので急遽変更しています。
1つのデコーダーで2つのポイントを制御できるのが良いですね。
CV3(出力作動時間)は規定値の125msとなる“125”を指定。
CV9(昇圧目標電圧)は14Vとなる“140”を指定しています。
ワンコインデコーダー4
ワンコインデコーダーは、当初電解コンデンサを外付けで付けていただけなのですが、やはり突入電流が大きいので前述のように、抵抗とダイオードを追加しています。
単価が安いので、数多く使うには嬉しいです(笑)。
DSAir2からの信号でうまく動かなかったりと動作が不安定だったので、ソースにあるDCC信号の読み込みタイミングをデフォルトの“0x07”から“0x08”に変更しています。
CV3(出力作動時間)は“4”(40ms)を指定。
CV6(出力デューティ比)は“200”(200/250)を指定しています。
また、カーブポイントは内外両方のポイントを同時に動かすのですが、2個のデコーダーを同時に動かすとその後に過電流が流れる恐れがあるので、片方のデコーダーは念のためCV5を“5”に設定して、動作開始時間を50msほど遅らせています。
[2020/03/29:更新]