Katoから出ている『レーティッシュ鉄道<ベルニナ急行> 5両基本セット』に入っている、ABe8/12をDCC化しました。
ABe8/12はレーティッシュ鉄道(RhB)の電車で、3両で1編成を成しており、スイス南東部で使われているロマンシュ語で「こんにちは」を意味する”アレグラ”という愛称を付けられています。
交流直流両方に対応している事から、レーティッシュ鉄道本線(交流)、アルブラ線(交流)の他、ベルニナ線(直流)を走ることが出来ます。
Katoからはアレグラのみの発売の他、ベルニナ急行のパノラマカー2両が付いた5両セットがあり、他にベルニナ急行のパノラマカーのみの5両増結セットが発売されています。
ABe8/12は片方の先頭車がモーター車となり、もう片方の先頭車がトレーラー車なのでそれぞれのDCC化が必要となります。
モーター車の加工
まずは、モーター車の方から。
今回使用したDCCデコーダーは永末システムのDE29x2r2という2FXモーターデコーダーです。
ライト基板がヘッドライトとテールライト1体となったものなので、Ayanoさんの両極性化基板をDCCデコーダーとライト基板の間に使用しました。
DCC化にあたっては、このサイトにあるDCCインストールマニュアルを参考にしています。
ライト基板の加工
ライト基板はダイキャストとなっている車体から給電される仕組みになっているので、基板両面で、ダイキャストと接する端子とLEDとの間の配線をカットします(赤丸部分)。
コンデンサを外した青丸を付けたランドにポリウレタン線をハンダ付けしておきます。
両極性基板はキットと完成品の2種類があります。
キットの方がお得ですが、パーツや配線がかなり細かいので、小さいパーツのはんだ付けに慣れていない人は完成品を購入した方が無難です。
組み立て終わったら、デコーダー、両極性基板、ライト基板と接続し動作確認しました。
モーターへの配線
モーターはダイキャストと接触する端子を切り取って、配線をハンダ付けしました。
ダイキャストの一部を切り取って、配線を引き出しています。
念のため、ダイキャスト側でモーターの端子と当たりそうなところにカプトンテープを貼っておきました。
配線の引きまわし
台車からの集電用の配線は、台車近くの集電版に配線をハンダ付けしました。
集電版、モーター、ライト基板からの配線の引き出しの様子です。
この後、シートパーツに穴をあけて、それぞれのケーブルを引き出しました。
車体から引き出した各配線は、室内灯のプリズムの上に乗せたDCCデコーダーと両極性化基板にハンダ付けしています。
なるべく窓から配線が目立たないように、配線をシートに固定するなどして引き回しました。
デコーダーの納め方
室内灯のプリズムの上にデコーダーなどの基板を収めているので、そのままでは車体がはまりません。
屋根裏の部分で、基板や配線と当たる部分を切り抜きました。
トレーラー車の加工
続いて、トレーラー車です。
車両をばらして、シートを外した所でライトユニットの形状を見ると、KatoのFL12が載りそうな形をしています。
試しに手持ちのFL12をはめてみると、案の定、そのまま装着できます。
DCCフレンドリーな客車の床下にFL12を装着する時、通常端子の切り欠き部分が進行方向になるように設置しますが、この車両の場合、上下が反転して収まるせいか、切り欠きを進行方法とは逆向きに設置する必要がありました。
中間車両の工作
残る中間車両は室内灯の取り付けだけで終了です。
ちなみに、各車両とも室内灯はKato純正の電球色を使用しており、室内灯ユニットの端子と車両側の集電場とハンダ付けしています。
CV値
DCCデコーダーに設定したCV値は以下の通りです。
○M車
デコーダー:DE29x2r2
車両アドレス:4812(CV17:210 , CV18:204)
CV29:[0010 0110/38] ロングアドレス化
○T車
デコーダー:FL12
車両アドレス:4812(CV17:210 , CV18:204)
CV29:[0010 0110/38] ロングアドレス化