今回は、Tomixのキハ183-100系 “まりも”をDCC化しました。
しかも初のDCCサウンドです(^_^)
今回のDCC化にあたり、TRAINOさんが開発された、EXP Board EC-slimの存在が非常に大きいです。
EXP Board EC-slimはKatoやTomixなどのNゲージサイズの車両にDCCデコーダーを搭載するために作成された室内灯機能付きのボードで、Next18という小さなコネクタでDCCデコーダーを取り付けできるようになっています。
室内灯用のLEDを取り付けできるようにもなっているのが特徴で、モーターやヘッドライト、スピーカーへのランドが基板上に設けられています。
今までDCCサウンドに手を出さなかったのは、室内に置いたデコーダーやスピーカーが車外から丸見えで興ざめだったからというのが大きかったんですね。
そんな中、最近のデコーダーの小型化やEC-slimの登場で一気に潮流が変わりました。
- ESUのLokSound 5 microのような高音質でありながら小型のデコーダーが出てきたこと。
- Next18といった小型のコネクタの採用で、デコーダーの取り回しが楽になったこと。
- PUI Audioなどの小型ながら音質の良いスピーカーが出てきたこと。
- DesktopStationさんらが進めているオープンサウンドプロジェクトのおかげで、様々な車種の音源を自由に使えるようになったこと。
こういった要因が積み重なった中で出てきたEC-slimですから、もう重い腰を上げていっちょ試してみようかとなったわけです。
ちなみにこのEC-slim、DesktopStationさんとNagodenさんのサイトからバージョン違いのものが購入可能です。
DCC化構想
今回DCC化する、Tomixのキハ183系特急ディーゼルカー(まりも)[98641]は6両編成で、その内訳は先頭車となる「キハ183-200」と「キハ183-500」、寝台車となる「スハネフ14-500」と「オハネ14-500」、中間車となる「キハ182-0」と「キハ184-0」となり、その内の「キハ182-0」がモーター車となります。
「キハ183-200」と「キハ183-500」はヘッドライトの操作用のDCCデコーダーが必要となります。
ヘッドライト制御用に、NagodenさんのスマイルデコーダーN18を使用しました。
「キハ182-0」には、モーターとサウンドを操作するDCCデコーダーが必要となります。
サウンドデコーダーとして定評のある、ESUのLokSound 5 microを使用しました。
その他の車両は室内灯のみとなります。
「キハ184-0」はEC-slimの室内灯機能のみの使用としました。
「スハネフ14-500」と「オハネ14-500」は室内灯に庄龍鉄道のグランライトSを使用しました。
EC-slimの作成
早速3種類のEC-slimを作成します。
まずは、先頭車となる「キハ183-200」と「キハ183-500」に使用するEC-slimの作成です。
今回用意したEC-slimはDestop Stationさんから販売されているエコノミーセットです。
これはNext18のコネクタだけが付いている基板が1枚で、何もパーツが付いていない基板が5枚というものです。
Next18のコネクタが付いている基板が1枚だけなので、あと2枚分自分でNext18のコネクタを取り付ける必要があります。
なお、Next18のコネクタや両極性基板用のトランジスタなど、細かいパーツのハンダ付けに慣れていないと難しいので、素直にNagodenさんのWebショップから出ているスタンダードセットを購入するのが間違いありません。
Next18の端子はとても細かいので、ハンダ付けする時には隣の端子とブリッジしないよう気を付ける必要があります。
写真のように細いハンダごてで少しずつハンダを流す感じで付けていきます。
ハンダ付けが終わったら、ルーペなどで隣の端子とつながっていないかよ~く確認します。
先頭車のヘッドライトを操作するのに、両極性化回路が必要となるので、抵抗とトランジスタを取り付けました。
使用したトランジスタはROHMのUMA1NTRですが、これはマルツ経由でDigi keyから取り寄せました。
室内灯に使用するチップLEDとチップ抵抗をハンダ付けすれば完成です。
チップLEDはエルパラで扱っているLP-1608NWAC-Wという1608サイズの白色チップLEDを使用しました。
色温度が5000Kという丁度良い色味が室内灯に使いやすいのでお気に入りです。
最後に、JP3のランドにハンダを盛って短絡させて完成です。
これは、室内灯をDCCデコーダーで制御せずに、常時点灯とするからですね。
次にモーター車となる「キハ182-0」用のEC-slimですが、Next18コネクタとチップLEDとチップ抵抗の取り付けのみです。
室内灯のみ使用する「キハ184-0」用のEC-SlimはNext18コネクタの代わりに、チップダイオードを4つ取り付けます。
後は、室内灯のチップLEDとチップ抵抗ですね。
基板の作成が終わったら、Trk、モーター、ライトの各端子に電線をはんだ付けし、動作テストを行います。
この時に、DCCテスターのようなものがあると便利です。
EC-slimの組み込み
EC-slimに必要なパーツをハンダ付けしたら、各車両に取り付けをしていきます。
先頭車への取り付け
最初に、両先頭車からです。
キハ183-200
釧路方面の先頭車となるキハ183-200はスラントノーズが特徴的で、183系というとこのデザインが好きなのですね(^_^)
集電板からEC-slimへと0.1mm厚のリン青銅板で作った集電板をEC-slimのTrk端子にハンダ付けしています。
ライトユニットは車体の集電板と直接接触するようになっていますが、その間にEC-slimのヘッドライト出力から伸ばしたリン青銅板を挟んでいます。
車体の集電板に両面テープでこの端子を張り付けています。
ヘッドライトの制御用のDCCデコーダーには、NagodenさんのスマイルデコーダーN18を使用しました。
キハ183-500
札幌方面の先頭車となるキハ183-500は貫通扉を備えたデザインです。
こちらも、キハ183-200同様にEC-slimを車両に取り付けて、ライトユニットとの配線も行っています。
ライトユニットの端子と接触する端子を座席パーツに貼り付けています。
ライトユニットと接触する端子と、EC-slimとの接続の様子です。
EC-slimの取り付けはキハ183-200と同様ですが、集電板とヘッドライトのランドとは接触しそうだったので、基板上にカプトンテープを貼っています。
モーター車への取り付け
モーター車となる、「キハ182-0」への組み込みですが、次回にて紹介します。
キハ184-0への組み込み
次に「キハ184-0」への組み込みです。
EC-slimへ取り付ける集電板は、車端ではなく、純正の室内灯の集電スプリングがはまる穴から挿しこんでいます。
通路やデッキ部分などLEDの光が届かない部分があるので、EC-slimの+端子と室内灯選択のジャンパー端子から電源を取り、チップ抵抗とチップLEDを空中配線で取り付けました。
寝台車の電飾
最後に、寝台車となる「スハネフ14-500」と「オハネ14-500」の電飾化です。
室内灯の作成
これらの車両には、庄龍鉄道のグランライトSを使用しました。
この室内灯パーツは寝台車の座席間隔に合わせてLEDが取り付けられているので、影の出来やすい寝台車両でも明るく照らすことが出来ます。
そのままでは明るすぎるので、庄龍鉄道のブログの記事を参考に減光しています。
使用したのは、1.5kΩのチップ抵抗です。
グランライトSに、0.1mm厚のリン青銅板で作った集電板をハンダ付けすれば室内灯の完成です。
スハネフ14-500
車体への取り付け方法は、EC-slimと同様に車体のシートと床下パーツの間に集電板を挿して、室内灯の端子とつないでいます。
寝台車の電飾は壁が多く影が出やすいのですが、グランライトSのおかげで全体的に明るく仕上がりました。
オハネ14-500
グランライトの取り付けは、スハネフ14-500と同じです。
ただ、デッキから集電板が見えないように、デッキとは反対側の車端に集電板を挿しています。