テールライト点灯化
Tomixの『JR 12・24系客車(きのくにシーサイド)』と牽引車となるDE10-1152号機をDCC化するにあたって、DE10のテールライトの点灯化も行うことにしました。
通常、機関車で客車を牽く場合先頭が機関車となり、逆方向へ進む場合は機回しと言って機関車の位置を付け替えるのですが、きのくにシーサイドの場合はそれをせずに、白浜方面へ向かう時はDE10が先頭となり、反対の天王寺方面へ向かう時には、反対側のオハフ13が先頭になり、DE10での推進運転が行われます。
このため、オハフ13には簡易運転台が用意されているのですね。
模型として見た時に、オハフ13にはヘッドライトとテールライトの両方が点灯するように装備されているので、どちら方向へ進んでも問題ありません。
しかし、DE10はテールライトが点灯しないので、推進運転時にはちょっと寂しい物があります。
さらに言うと、客車と連結している側のヘッドライトが点灯してしまうのも、ちょっと興ざめですね。
そのため、まずはテールライトの点灯化を行うこととしました。
使用したLEDは1005というサイズの赤色チップLEDです。
このチップLEDの四隅の角をヤスリで丸めると、テールライトのくぼみに上手くはまります。
LEDには0.08mmのポリウレタン線をハンダ付けして、テールライトのくぼみの中に開けた0.3mmの穴を通して配線を引き出しています。
LEDの裏面に遮光のためアクリジョンのつや消し黒を塗った上で、ゴム系接着剤で接着しました。
また遮光のために、LEDの周りは同じくアクリジョンのつや消し黒を塗るというか、塗料にLEDを埋める感じで盛り付けています。
塗料が乾燥する前に、LEDの発光面だけ先の細い綿棒でぬぐっておきました。
スカートに取り付けた際の配線の様子です。
スノープラウの取り付けに邪魔にならないようにしてあります。
テールライトのレンズの内側部分はLEDの厚さ分だけ短く削った上で、周りを黒く塗っています。
そのため、テールライト点灯時も光が漏れることはありません。
DCC化
続いてDCC化のための改造に進みます。
DCCデコーダーにはロクハンのA053という小型のデコーダーを使用しました。
12mm x 7.5mmという小ささですが、DE10のどこに収めるかが問題です。
旧製品ですと、1位側のボンネット下にあたるダイキャストを削って、収めることも出来たようですが、現行品ですとその場所にはフライホイールがあるため出来ません。
そのため、今回は運転席部分にデコーダーを納めることとしました。
最初に金属ヤスリを使って配線を通す溝を作ります。
配線は1位側のライトへの黄色と白色のケーブル、2位側には集電の為の赤色と黒色のケーブルを通します。
モーターへの配線の様子です。
運転席にデコーダーを納めた時に、ケーブルの長さが最短になるように現物合わせしつつハンダ付けします。
写真ではモーターホルダーが付いていますが、ハンダ付けの際にはこのホルダーは外しています。
また、このホルダーには集電用の金具が付いていますが、DCC化の際には不要なので外しておきます。
1位側のライト基板です。
A053は両極性のため、元々のライト基板をそのまま使用することが出来ます。
デコーダーの黄色線と白色線をハンダ付けし、ダイキャストと接する面はカプトンテープを貼って絶縁しました。
元々付いていたLEDはオレンジ色のため取り外して、電球色のチップLED(2012)を取り付けています。
このLEDでも問題無いのですが、ボディに取り付けた際にダイキャストと接触してしまうので、ダイキャスト側の絶縁が必要です。
このLEDはその後、側面発光の電球色チップLEDに交換しました。
基板の中央にはダイオードが着いていたのですが、不要なので取り外しています。
そこに500Ωのチップ抵抗を取り付けて、テールライトへの配線を引き出しています。
もう片方の配線は、チップLEDのランドから取っています。
チップ抵抗を取り付けているのは、1kΩの抵抗だけだと、ヘッドライトはちょうど良いのですが、テールライトが明るくなりすぎるので取り付けましたが、500Ωでもまだ明るいので、結局1kΩの抵抗に替えました。
2位側は客車と連結する面となるため、ライトは点灯させません。
そのため、2位側のライト基板はダイキャストと接触する部分を全てカプトンテープで絶縁しています。
このライト基板で集電用の端子を挟み込んでいます。
集電用の端子は、0.1mmのリン青銅版を切り出して、デコーダーの赤色と黒色のケーブルをハンダ付けしています。
一通り配線が終わったところで、下回りを組み立ててテストを行いました。
走行やライトの点灯に問題無しです。
この時に、テールライトの明るさ調整のためライト基板の抵抗を換えたりと言った微調整を行いました。
最終的に全てのパーツを組み上げて完成となりましたが、デコーダーの納まる運転室部分はデコーダーの当たる部分をひたすら削りました。
またボンネット端など配線の通る箇所を斜めに削ったりして調整しています。
完成後の走行の様子です。
ひとまずきのくにシーサイドの牽引車となるDE10の改造は終了しましたので、近日中にはオハフ13のライトをDCC化する予定です。